自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法にて完全寛解を得た進行性性腺外胚細胞腫の1例

元データ 1999-04-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

患者は28歳男性.39度の発熱,腹痛が出現し,大動脈周囲リンパ節の腫大を指摘され,当院に入院した.左鎖骨上リンパ節腫大も認め,生検にて胚細胞腫の転移が疑われ,当科に紹介となった.AFP,hCGおよびβ-CGは各々異常高値を示した.精査にて後腹膜原発性腺外胚細胞腫と診断した.発熱は腫瘍壊死が原因と考えられた.BEP療法3コース施行後,左鎖骨上リンパ節腫大は消失したものの,マーカーは完全には正常化せず,後腹膜には残存腫瘍が見られた.次に,末梢血幹細胞移植(PBSCT、を併用した大量化学療法(HDC)を行うことにした.採取前化学療法としてetoposide(500mg/m^2)を行い,計19.5×10^6個/kgのCD34陽性細胞が採取できた.HDC(CBDCA250mg/m^2/day,etoposide300mg/m^2/day,IFM1.5g/m^2/day,各々Day-7〜-3)に続き,PBSCT(Day0に全量住人)を施行した.白血球数,血小板数は低下したが,血小板輸血,G-CSFの併用により,迅速に回復した.消化管,呼吸器感染が出現し,抗生物質および抗真菌剤の投与により改善した.10日間無菌室に人室した.HDC後各マーカーは正常値に下降したが,後腹膜に残存腫瘍を認めた.残存腫瘍摘出術及び後腹膜リンパ節郭清術を施行した.病理学的には壊死組織のみであった.術後9ヵ月経過したが,再発なく生存している.

著者

桜井 正樹 松阪市民病院
有馬 公伸 三重大学医学部泌尿器科
有馬 公伸 三重大学大学院医学系研究科腎泌尿器外科学分野
有馬 公伸 三重大学医学部泌尿器科学教室
松浦 浩 松阪市民病院泌尿器科
松浦 浩 松阪市民病院

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