ラット前立腺のホルモン依存性における腺内異質性に関する研究

元データ 1988-04-20

概要

ラット前立腺のアンドロゲン依存性が,微小解剖法を用いて形態学的ならびに生化学的に再検討された.以前の論文において報告したように,ラット前立腺は形態発生学的に5つの葉(前葉,側葉type 1, 側葉type 2, 後葉および凝固腺)に分類される.この研究においてアンドロゲン削除による前立腺各葉の退縮とアンドロゲン投与による再生が,様々なホルモン処置で検討された.前立腺の退縮は,去勢あるいは17β-estoradiolで,再生はtestosterone propionate (TP)で処置し研究された.その結果によると形態学的ならびに生化学的変化の程度や速度に著明な差異が葉間にみられた.巨視的腺管分枝構造,組織所見,湿重量,DNA量に関して,凝固腺と前葉は他葉よりも性ホルモンに対する感受性が高かった.形態や機能の維持に関して,前葉は最もアンドロゲン依存性が高く,逆に側葉type 1は最も低い.この研究は,前立腺がその形態や細胞活性において明らかに均一な臓器でないことを示している.我々は,このような腺内異質性が前立腺の最も重要な生物学的特徴の一つであり,前立腺の限局性異常増殖(例えば前立腺肥大症や癌)の病態発生に直接関与しているのではないかと考えている.

著者

桜井 正樹 松阪市民病院
杉村 芳樹 三重大学医学部泌尿器科
川村 寿一 三重大学医学部泌尿器科
林 宣男 三重大学医学部泌尿器科学教室
桜井 正樹 三重大学医学部泌尿器科学教室

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