ヒト腎癌細胞株3株の樹立と制癌剤感受性試験

元データ 1989-01-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

ヒト腎細胞癌を培養し,in vitroでは,67歳女性のspindle cell type(MR-1)と74歳女性のdark cell type(MR-2)の2株を樹立した. in vivoでは,MR-1と同一患者よりヌードマウス移植株(MRV)を樹立した.MR-1は140代,MR-2は110代で凍結保存中である.継代の進行にともない,倍加時間や染色体数などの性状に変化がみられた.このような変化は,継代中の細胞にtransformation・mutation・selectionが起こっていると考えられた.MRVは7代継代中で移植率は86.8%,特に4代以降は100%であった.樹立した細胞株を用い,in vitroでは^3H-thymidineのuptakeを利用したRadioisotope uptake assayで,in vivoでヌードマウスの移植腫瘍重量で制癌剤感受性試験をおこなった.その結果,in vitroとin vivoにおいて有効薬剤の差がみられた.Radioisotope uptake assayは,核酸合成阻害を指標とし制癌剤と24時間持続接触させるため,ビンカアルカロイドのような細胞分裂阻害剤で時間依存性の薬剤の効果判定が難しく,抗生剤型薬剤の効果を過大評価する可能性が示唆された.しかし,制癌剤感受性試験を臨床応用するためには,簡素化されたin vitro testが必要であり,薬剤濃度・接触時間・判定方法についてRadioisotope uptake assayの検討改良が必要と思われた.

著者

桜井 正樹 松阪市民病院
杉村 芳樹 三重大学医学部泌尿器科
川村 寿一 三重大学医学部泌尿器科
栃木 宏水 三重大学医学部泌尿器科学教室
林 宣男 三重大学医学部泌尿器科学教室
桜井 正樹 三重大学医学部泌尿器科学教室
栃木 宏水 三重大学医学部泌尿器科

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