前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺・膀胱頸部切開術の長期成績

概要

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前立腺小腺腫によるoutflow obstruction 36例に対し,経尿道的前立腺・膀胱頸部切開術(TIPBn: Transurethral Incision of Prostate and Bladder Neck),あるいは経尿道的前立腺切除術(TURP)を行い,両術式の効果を術後早期(3ヵ月)と長期(TIPBn:12〜48ヵ月,平均20.1ヵ月,TURP:12〜48ヵ月,平均22.2ヵ月)において比較検討した.17例にTIPBn,19例にTURPを行った.ウロフローメトリー各パラメター(最大尿流率,平均尿流率,排尿時間,残尿率)は,両群とも有意な改善を示し,術後早期,長期において両群間に有意な改善の差はみられなかった.自覚症状(排尿困難)は術後早期では,両群とも全例良好な改善を示したが,長期においては,TIPBn群では88.2%,TURP群では73.7%で改善が保持され,TIPBn群の方が良好な成績であった.TURP群では,4例(21.5%)で症状再発のため再手術が行われ,全例膀胱頸部狭窄症が認められたが,TIPBn群では再手術例は認められなかった.TIPBnは前立腺小腺腫によるoutflow obstructionにおいて選択すべき術式と考えられた.
1993-06-20