高齢頻尿患者における排尿記録分析 : 成人群との比較検討

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概要

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頻尿患者215名を65歳以上の高齢者群(85例)と65歳未満の成人群(130例)に分類して,排尿記録を基にその排尿動態を比較検討した。また,原因別に治療法を検討し,頻尿患者における排尿記録の有用性について検討した。1.高齢者群は成人群に比較して就寝時尿量が有意に多く,就寝時の1回排尿量が有意に少量であり,その結果,就寝時の排尿回数は有意に頻回であった。2.頻尿の原因を分析し,215例を6つの診断に分類した。高齢者では就寝時多尿あるいは不安定膀胱患者が,成人群では不安定膀胱,多飲多尿が主要な原因であった。3.治療法は原因に応じて選択した。抗コリン剤を主とする薬物を90例(42%)に処方した。放置または飲水制限など特に治療を要しなかった症例は108例(50%)であった。4.排尿記録は,頻尿を訴える患者の病態分析に極めて有用な診断補助法の一つである。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1991-09-20

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