尿路悪性腫瘍におけるTissue Polypeptide Antigen(TPA) : 血液, 尿, 組織における検討
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概要
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尿路悪性腫瘍患者の血液,尿,組織を対象としてTPAの臨床的有用性を検討した.血液,尿の測定はRIA 2抗体法により行ない,また組織については組織化学的方法で観察した.血清TPAは,膀胱癌43例で陽性率65.1%であり,異型度,深達度の高いものほど高値を示す傾向を認めた.膀胱全摘除術術後の患者では再発の時点で有意に高値を示した.前立腺癌34例では陽性率78.6%であり,低分化癌と遠隔転移のあるものが高値を示した.治療効果と血清TPA値はよく相関し,再燃時には高値を示すことが多かった.腎細胞癌12例の陽性率は58.3%であり,病期,組織型とは関連がなかった.尿中TPAは膀胱癌患者では健常人及び泌尿器科良性疾患患者と比べて著明に高値を示すものが多く,診断,治療経過の観察に役に立つと思われた.組織化学的検索では,膀胱癌はTPA陽性を示すものが多く,腎細胞癌は陰性のものが多かった.しかし,TPAは正常組織中にも広範囲に存在するので,血中,尿中の異常値は必ずしも癌と関連しない場合が多かった.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
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