転移のない腎細胞癌の予後因子解析

概要

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(背景と目的)転移のない腎細胞癌の予後因子を評価するため単変量解析および多変量解析をおこなった。(対象と方法)1960年から1994年の間に根治的腎摘出術をおこなった390例を対象とした。単変鏡解析はKaplan-Meier法で生存率を計算し,有意差検定はlog-rank検定を用いた。多変最解析はCoxの比例ハザードモデルを解析に用いた。(結果)単変量解析においては予後因子として主訴,腫瘍の位置,腫瘍径,発熱,血中ヘモグロビン値,CRP,赤沈,IAP,手術術式,出血量,Grade,細胞型,pT,pN,pVが統計的有意差があり,性別,年齢,血液型,高血圧の有無,患側,動脈栓塞処置の有無は有意差はなかった。手術前に判明する予後因子における多変量解析ではCRP,腫瘍径,腫瘍の位置の順で有意に予後に関与していた。病理学的な予後因子を多変量解析に加えた場合,pV,Grad(l,pNの順で有意に予後に関与してし)た。(結論)以上のことから転移のない腎細胞癌においては病理学的な予後因子が重要と考えられた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-09-20