表在性膀胱腫瘍の進展の予知因子
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概要
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1975年から1988年の間に千葉大学医学部泌尿器科でTURを施行した表在性膀胱移行上皮癌(Ta,T1かつG1,G2)159例を対象として,進展を予測する因子につき検討した. 臨床所見:年齢,性,主訴:症状発現から受診までの期間,検査所見:ESR,CRP,貧血,内視鏡所見:腫瘍の位置,数,大きさ,形態,病理組織学的所見:異型度,深達度,尿細胞診,ABH血液型抗原(ABH),Thomsen-Friedenreich抗原(T-ag)につき検討した.進展と有意に相関したのは高年齢,多発,広基性腫瘍,G2,T1,陽性尿細胞診,ABH陰性,T-ag異常であった. 多変量解析法で分析すると,進展に影響をおよぼす因子の重要度はABH,深達度,T-ag,形態,異型度,年齢,数の順であり,ABH,深達度,T-ag,形態の4因子が有意に高かった.さらにABH,T-agは他の臨床病理学的因子と相関せず,表在性膀胱腫瘍の進展の予知因子として有用であると考えられた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1992-08-20
著者
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角谷 秀典
千葉大
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井坂 茂夫
千葉大学医学部泌尿器科学教室
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島崎 淳
千葉大学医学部泌尿器科学教室
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佐藤 信夫
千葉大学医学部泌尿器科学教室
-
松嵜 理
君津中央病院臨床病理科
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井坂 茂夫
千葉泌尿器腫瘍研究会
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井坂 茂夫
千葉前立腺研究会
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松崎 理
帝京大市原病理
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佐藤 信夫
船橋市立医療センター
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角谷 秀典
深谷日赤
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角谷 秀典
千葉大学医学部泌尿器科学教室
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松嵜 理
千葉県立がんセンター臨床病理
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島崎 淳
千葉大学医学部泌尿器科
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井坂 茂夫
千葉大学医学部泌尿器科
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