前立腺偶発癌の検討

元データ 1988-11-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

1979年より1986年までに千葉大学および旭中央病院泌尿器科にて前立腺肥大症(Benign prostatic hypertrophy, BPH)として被膜下摘除術ないし経尿道的前立腺切除術(Transurethral resection of the prostate, TURP)を施行したものは,それぞれ643例および623例,計1,266例であり,そのうち偶発癌と判明した73例(5.8%)について検討を加えた.被膜下摘除術では,偶発癌は26例(4.0%)あり,A_1 13例,A_2 13例であった.TURPでは,47例(7.5%)の偶発癌が発見され,A_1 26例,A_2 21例であった.合計すると偶発癌は73例であり,そのうちA_1 39例,A_2 34例であった.A_1とA_2平均年齢に差をみなかった.被膜下摘除術では,A_1とA_2の平均摘除重量は,後者がやや大きかったが統計的有意差はなかった.TURPでは両者はほぼ同じであった.A_2は高および中分化型がそれぞれほぼ半数づつを占め,低分化癌は少なかった.A_2のうち無治療3例,不十分な内分泌療法をうけた1例,計4例が臨床癌となり,それらの組織学的分化度は,中分化型3例,低分化型1例で,A_2と診断後,臨床癌までは,平均3年であった.A_1には治療,無治療に関係なく進展したものはなかった.以上よりA_1は無治療でよいが,A_2にはなんらかの治療を要すると結論した

著者

矢谷 隆一 三重大学医学部病理
角谷 秀典 千葉大
島崎 淳 千葉大学医学部泌尿器科学教室
赤倉 功一郎 千葉大学医学部泌尿器科
布施 秀樹 帝京大学医学部附属市原病院 泌尿器科
五十嵐 辰男 旭中央病院泌尿器科
村上 信乃 旭中央病院泌尿器科
五十嵐 辰男 千葉大学 大学院異学研究院遺伝子機能病態学
布施 秀樹 千葉大学医学部泌尿器科学教室
角谷 秀典 深谷日赤
村上 信乃 旭中央病院
角谷 秀典 千葉大学医学部泌尿器科学教室
島崎 淳 千葉大学医学部泌尿器科

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