Stage D_2前立腺癌の内分泌療法

元データ 1988-01-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

昭和46〜60年に, 去勢および1ヵ月を越えた期間継続的なホルモン投与を行ったStageD_2前立腺癌120名を対象とし, 治療成績を副作用に関して検討した.ホルモンとして, ヘキセストロールかエチニルエストラジオールを用いた98名(エストロゲン群)と, 酢酸クロルマジノンを用いた22名(抗アンドロゲン群)に分けた.1)エストロゲン群, 抗アンドロゲン群ともほぼ同様の予後を示した.2)エストロゲン群は, 治療中LH, FSHの抑制をみたが, 抗アンドロゲン群はすべて高値を示し, 抑制が出来なかった.エチニルエストラジオールは, 1.0〜3.0mg/日の間で, 同程度のLH, FSHの抑制をみた.3)組織学的分化度をみると, 低分化癌は高および中分化より予後不良の傾向を示した.4)5年ごとに区切って, 予後をみたが, 現在に近づくにつれ, 予後の改善をみた.5)死因の約半数は前立腺癌死であり, 心血管系障害によるものは, 約20%で, 再燃は5年以内に全例みられた.6)年次別にみて, 薬剤による副作用と治療前高コレステローノレ血症は増加傾向にあったが, 治療前心電図虚血性変化の出現は不変であった.以上より現在まで, エストロゲンの危険度は少なく, 内分泌療法の有効性がみられたが, 副作用の増加などより今後の危険度の増加が推測された.また, あらかじめ危険因子のものには, 抗アンドロゲンが有用であった.

著者

矢谷 隆一 三重大学医学部病理
島崎 淳 千葉大学医学部泌尿器科学教室
赤倉 功一郎 千葉大学医学部泌尿器科
布施 秀樹 帝京大学医学部附属市原病院 泌尿器科
布施 秀樹 千葉大学医学部泌尿器科学教室
秋元 晋 千葉大学医学部泌尿器科
島崎 淳 千葉大学医学部泌尿器科

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