反射法地震探査による和歌山県西部の中央構造線の地質構造

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概要

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和歌山県西部における中央構造線の地質構造調査を目的として, 中央構造線に直交する和泉山脈から紀ノ川に至る約6 kmに側線を設定して反射法による地震探査を実施した。この結果, 従来は和泉山脈と紀ノ川の間には薄い新期堆積層が存在し, 和泉層群と三波川変成岩類とは比較的浅部で接触しているものとされていたが, 新期堆積層は三波川変成岩類を基盤としてその厚さは約800 mに及ぶことが判明した。また解析された地表から約800 mの深度では, 和泉層群と三波川変成岩類との直接接触している構造は見られず, 和泉層群は20°Nで堆積層に衝上していることが判明した。このように, 陸域における反射法による地震探査は, 最近の非爆薬震源の開発と探査システムの軽量化によって深部構造探査が可能な時代となってきた。地表地質調査からだけでは想像の域を越えなかった深部構造に, 実データによる反射波断面を与えることが出来るようになり, 具体的な地質構造を議論する上で有効である。
1992-12-15

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