「排熱」に着目した生物・環境の総合的な学習、その教育内容と課題
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概要
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「排熱」問題として、生き物の「生」と「進化」、そして「環境」を捉え、考察し、教育における具体的な授業プランを作成し、検討することを課題としている。この背景には、次のような視点がある。地球環境問題に関しては、循環にかかわって"物"に着目した考察が行われてきている。「廃物」問題は、ごみ問題に象徴されるように数十年前から取り上げられ、環境教育の発端となった。一方数十年前から『エントロピー学会』では、その理論的考察が行われているが、(1)排熱に着目すること、(2)もろもろの熱代謝システムに着目した具体的な授業プランの検討、は不十分であると考える。"エントロピー"という言葉に象徴されるように、熱処理課題が存在している。この点では、ようやく、『ヒートアイランド現象』なるものがとりざたされ、「廃熱」を重要視するようになってきた。大気汚染等の廃物処理の環境限界と並んで、この「排熱」は大きな課題になりつつあると考える。この考察を行うためには、まずは、地球上の生物を常に「熱」処理と共に"進化"してきたという視点から再評価することも必要であると考えている。本論文は、(1)その理論的展開を『三つの系列の史的累層構造』からの視点で考察し、(2)熱代謝システムに着目した授業を総合的な学習に組み込み、熱に着目した上での教育内容の課題を選定した上で、(3)それに伴う具体的な授業プランの作成と、その一部だが授業実践によって、その可能性と課題とを探ったものである。本論文では、「排熱」と「廃熱」とに分けて記す。「排熱」は、効率を含めての"サイクル"を意識して表記した形で、「廃熱」を一方的な"捨てる"を意識して表記した形とする。
- 北海道教育大学の論文
- 2004-11-30
著者
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