実用並列計算機モデルLogPQによる並列アルゴリズムの動作解析

概要

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近年, さまざまな商用並列計算機が開発され, 幅広い用途に普及しつつある. 並列プログラムの開発基盤として, 現実の制約を考慮した実用並列計算モデルの研究が必要とされている. Cullerらは, 実用並列計算モデルとして, 通信レイテンシ, 通信オーバヘッド, 通信ギャップおよびプロセッサ数の4パラメータを導入したLogPモデルを提案した. しかし, 並列計算機の通信路はさまざまな制約があり, プログラムの開発環境の観点では, LogPモデルは十分に実用的な計算モデルではない. たとえば, 並列計算機の多くは, 通信にバップァを用いて, 通信遅延をできるだけ少なくすることができる. そこで筆者らは, LogPモデルの通信路にキューと4つのパラメータを追加したLogPQモデルを提案した. 本論文では, 並列計算機CM5を用いた実験により, LogPモデルとLogPQモデルの実用性を比較検討した. その結果, 通信バッファにより通信遅延の隠蔽がモデル化でき, 並列行列乗算を効率的に実行できることが分った. また, LogPQモデルは, 並列計算機上での実行時間を, LogPモデルより正確に表すことができることが分った.
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-10-17