絵画からの画面構成の抽出と画像検索への応用

概要

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人は画像など視覚情報を検索しようとするとき、印象などによる感性情報に頼っている割合が大きいと考えられる。そこで、利用者が思った印象を言葉で表現し、システムがこれに適合する画像を選び出すという感性検索の方法が検討されている。すでに色彩情報を用いた感性検索の試みが行われ、比較的よい結果が得られている。ここではその成果をふまえ、画像から画面構成を表す情報を抽出し、画面構成による印象語検索を行う方法を報告する。画像処理による画面構成の抽出では、色彩による領域分割を行なうが、背景と主要対象物を正確に区別する必要があるため、より高精度の領域分割法の検討が必要となる。ここでは、K平均クラスタリングと領域統合による従来の領域分割の手法の改善を試みた。この結果、特に背景と主要物体の区別に効果がみられ、画面構成情報の抽出が可能であることがわかった。対象画像の画面構成の情報は、主要オブジェクトに対応する領域から得られる何種類かの特徴量の組合せより形式的に表現する。画面構成と関連していると考えられる印象語(「賑やかな」、「安定感のある」、など合計7語)について、このような、オブジェクトから得られる特徴量についての条件をあらかじめ設定しておく。検索時には、与えられた印象語に対応する特徴量の条件を、対象画像の特徴量としての連合度を求める。このような処理を約150枚の静物画から構成される画像データすべてに行い、適合度の高いものを抽出するという方法を用いて、印象語による画像の検索を実現した。
1998-05-28

絵画からの画面構成の抽出と画像検索への応用

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