実写映像への3次元人体モデルによる身体運動の合成表示

概要

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人文科学の分野でも、3次元CGのシステムと技術を利用して、民族舞踊、古典芸能などのさまざまな身体動作の記録したり、解析したりする試みが行われるようになってきている。このようにして入力した身体運動を、動きのある3次元CG像として再現する際には、背景などの情景画像は、別の何らかの方法で与える必要がある。これらもCGで作成することは、演算コストや表示能力の点で問題がある。これらを考慮し、ここでは、背景として撮影した実写のビデオ映像の中に、CGで作成した人体モデルによる身体運動を合成することを行った。実写映像には大きさと形状が既知のレファレンス長方形を写し込み、この4頂点が画像中でとる位置を画像処理によって求め、これからレファレンス長方形のカメラ座標系での座標値を導く。さらにこの情報を使って、人体モデルのCG像をおなじカメラ座標系での実写映像中に合成する。身体運動データはキーフレームにおける姿勢を与え、中間フレームの運動は線形補間により作成する。実験により、実写映像中にCGによる人体像の運動を、違和感なく自然に合成できることが確かめられた。
一般社団法人情報処理学会の論文
1999-05-21