日本字筆跡の変動解析と筆跡個性に関する基礎的検討
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概要
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問題となる文書中の筆跡から,その筆者を特定する,いわゆる筆跡鑑定,筆者照合,筆者識別などの研究は古くから行われている.これらの研究は,指紋と同様に筆跡には筆者固有の特徴(筆跡個性)が存在するという前提に立っている.しかしこの前提条件は,一部を除いて主として経験に基づく主観的な判断によるものである.著者らは,このような経験的知見に基づく筆跡の個性の存在を,定量的に検証することを目指している.本研究では,この目的のための基礎的研究として,変動エントロピーと呼ばれる量によって個人内と個人間の筆跡変動を調べた.併せてパターンマッチング法による筆者照合実験を行った.そして両者の結果を比較検討したところ,個人入内筆跡の変動エントロピーが小さく,かつ個人間筆跡の変動エントロピーとの比が小さいほど筆者照合の精度が高くなるという結果が得られた.このことから本解析手法によって,筆跡個性(恒常性と希少性)を検証することが可能であるという見通しを得た.
- 2004-07-30
著者
-
松尾 賢一
奈良高専情報工学科
-
松尾 賢一
奈良工業高等専門学校
-
上田 勝彦
奈良工専
-
上田 勝彦
奈良工業高等専門学校専攻科電子情報工学専攻
-
上田 勝彦
大阪電気通信大学短期大学部電子情報学科
-
上田 勝彦
奈良工業高等専門学校専攻科 電子情報工学専攻
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