2,2'-ジヒドロキシアゾベンゼンによるチタン(IV)の抽出吸光定量

概要

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チタン(IV)は2,2'-ジヒドロキシアゾベンゼン(DHAB)と反応し,有機溶媒に抽出可能な錯体を生成する.緩衝液として使用される酢酸は錯体の生成速度を増大させ,触媒として作用する.チタン標準溶液調製に用いる硫酸は高濃度に共存する場合,吸光度に影響する.生成錯体の組成はTi(IV):DHAB=1:2であり,2%ジオキサン溶液中での生成定数β_2はlogβ_2 = 41.6(30 ℃, μ= 0.1)であった.最適抽出pHは3であり,モル吸光係数(ε)は8500 l mol^<-1> cm^<-1> (495 nm),7700 l mol^<-1>cm^<-1>(550 nm)であった.0〜60*gの範囲でベールの法則に従い,ジクロロエタンを抽出溶媒とするとき,変動係数は1.3% {Ti(IV) 24 *g, 30回繰り返し}であった.妨害する金属イオンはすべてチオグリコール酸によりマスキングされた.鉄(II)は妨害しないので本法をチオグリコール酸の使用なしにセメントの分析に適用し,ジアンチピリルメタン(DAM)法と良く一致した結果を得た.
1982-11-05