1,10-フェナントロリンによる化学発光を利用する鉄(III)のオンライン濃縮サイクリックフローインジェクション分析
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概要
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サイクリックフローインジェクション分析(FIA)は,循環式のフローシステムで構築されているため,試薬の有効利用や廃液の減少といった利点がある.しかし,廃液中に分析目的化学種を含むために空試験値が測定回数の増大とともに上昇するという問題点もある.この問題を解決するには酸化還元反応を利用する方法がある.そこで,本法では酸化還元反応を利用する化学発光検出による鉄(III)-1,10-フェナントロリン系を採り上げた.しかし,金属の接触作用を利用しない場合の化学発光分析法は極めて低感度である.そこで,低感度のサイクリックFIAの改善を実現するために,微量成分濃縮法の導入を検討した.その結果,循環使用する試薬溶液150ml,濃縮に利用する試料溶液14ml{Fe(III)50ppb}に対し,50回程度の繰り返し定量が可能であることが確認された.また,5日間程度の測定も可能であった.更に本法は水道水中の鉄(III)の定量に適用できた.
- 2006-05-05
著者
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