ストップトフロー吸光光度法による鉄鉱石中の鉄の精密分析

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概要

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鉄鉱石の価格は鉄の含有量によって大きく左右される．測定の相対標準偏差が0.1％以下の方法が求められている．また，大量に取引されるため試料数が多くなり，分析法は精度以外に迅速性も求められる．これらの要求を満たす方法としてストップトフロー法を利用する分析法が開発された．検出法はFe(III)・チオシアン酸錯体の吸光光度法によったが，試料調製には主として塩酸溶液が使用された．錯体の安定性に塩化物イオンは少なくても0.1 M以下であれば妨害することはなかった．測定は反応開始後0.1～0.2秒の範囲で50個の測定値を得て，平均し，これを7回繰り返して一つのデータとした．この7回の測定の合計は洗浄時間も含め，約1分間であった．検量線は7～10 ppmの範囲で相関係数0.9999の良好な直線性を示し，有効数字4桁の精度が得られた．この分析法を用いて鉄鉱石標準試料を分析した結果，精度，正確さの面で極めて良好であった．
社団法人　日本分析化学会の論文
2010-09-05

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