シリカキャピラリーチューブを用いたオンライン濃縮法を利用する鉛(II)の吸光光度定量

概要

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フローインジェクション分析におけるシリカキャピラリーを利用した前濃縮法について検討した.シリカキャピラリー内表面に吸着濃縮させたPb(II)は微少量(10μl)の希硝酸5×10^<-3>mol/lで溶離することができ,濃縮効率は約910倍であった.溶離後は鉛の高感度検出試薬である5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンテトラスルホン酸(TPPS)により吸光光度定量した.シリカキャピラリー25m,濃縮時間180分における検量線は,0〜2.5ppbの範囲で相関係数0.998の直線となり,検出限界0.004ppb,定量下限0.012ppb,相対標準偏差は1.4%(1.5ppb Pb,n=5)であった.本法と同じく検出試薬にポルフィリンを用い,オンライン予備濃縮法を組み合わせた他の鉛の吸光光度法の検出限界と比較して十分高感度な値である.また,河川水中のPb(II)を定量する場合は,共存するFe(III),Cu(II)をトリエタノールアミンでマスキングし,Zn(II)はTPPSを過剰に用いることにより妨害を除去した.マスキング剤を使用し,本法を水道水のPb(II)の定量に適用し良好な結果が得られた.
2006-08-05