三座配位子アゾ化合物を利用するマンガン(II)接触分析の感度に及ぼす置換基の効果

概要

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1-アミノ-8-ヒドロキシ-7-(o-ヒドロキシフェニルアゾ)-3, 6-ナフタレンジスルホン酸(7-ο-OH)に置換基を導入した三座配位子アゾ化合物を合成し, その構造と接触反応における退色性についての検討を行った. 過酸化水素を酸化剤としたとき, Mn(II),Fe(III),Co(II)のそれぞれ存在下におけるアゾ化合物の退色速度は, Hammettの置換基定数σが小さい, 強い電子供与性置換基を導入した構造のものほど大きくなる傾向となった. また, 各アゾ化合物のK_aと退色速度の関係を調べたところ, Mn(II), Fe(III), Co(II)の存在下における退色速度はpK_aが大きい試薬ほど大きくなる傾向となった. 更にこの検討の結果高感度試薬として得られた1-アミノ-8-ヒドロキシ-7-(o-ヒドロキシ-p-メチルフェニルアゾ)-3, 6-ナフタレンジスルホン酸(p-CH_3)を用いてMn(II)の最適定量条件を検討した. 検量線はMn(II)0〜4 ppb (0〜7.2×10^<-8> M)の範囲で良好な直線関係が得られた. 検出限界は6 ppt(1.1×10^<-10> M)となり, Mn(II)の定量法として7-o-OHよりも優れていた.
2000-09-05