ピロカテコールバイオレットを用いるイオン交換樹脂濃縮/黒鉛炉原子吸光法による水中の微量アンチモン(III)の定量
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概要
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アンチモン(III)をピロカテコールバイオレット(PV)との錯陰イオンとして微細化した陰イオン交換樹脂に, pH6.5〜8.0の範囲で捕集した後, メンブランフィルターで〓過して濃縮した{アンチモン(V)はpH6.5〜10.0の範囲で捕集されない}. 〓紙ごとキュベットに導入してGF-AAS法によってアンチモン(III)を定量した. 試料体積は500mlまで回収率がほぼ100%であった. 検量線はアンチモン(III)量が0.02〜0.2μgの範囲で良好な直線関係が得られた. また, 0.1.μgのアンチモン(III)を用いた5回の繰り返し精度は, 相対標準偏差で5.0%であった. 更に, 試薬空試験値の標準偏差の3倍の値から求めた検出限界は5.4ngとなり, これを捕集前の試料溶液500ml中の濃度に換算すると10.8ng l^<-1>であった. 0.1μgのアンチモン(III)に対してSr(II), Fe(II), Fe(III), Pd(II), Cu(II), AI(III)及びGa(III)がそれぞれ10μg共存すると負の妨害を与えたが, 1.0×10^<-2> mol l^<-1> EDTA溶液を2ml添加することでマスキングすることができた. 本法を用いて河川水中のアンチモン(III)を定量したところ良好な結果が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2001-02-05
著者
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