昇温脱離ガス分析法による半導体集積回路材料からの放出ガスの定量分析
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概要
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四重極質量分析計を用いた昇温脱離ガス分析法により半導体集積回路材料からの脱離無機ガスの定量分析法について検討した.既知量の水素をイオン注入したSiウェハーを用いて, 昇温脱離スペクトルのピーク面積から測定再現性, 定量性について評価した.繰り返し測定の再現性は, 水素分子の脱離量(5×10^<14>H_2/cm^2)に対し相対標準偏差で5%内に入ることを確認した.その脱離量はイオン注入ドーズ量に比例し信頼性の高い検量線が作成でき, フッ化水素酸水溶液で処理したSi(001)表面のダングリングボンドはほとんどすべて水素終端されていることを水素分子の脱離量から検証した.又, 水素に対する検量線と四重極質量分析計のフラグメンテーションファクターやイオン化難易度を考慮することにより, 他の無機ガスに対しても脱離ガスの定量分析が可能であることを半導体集積回路材料からの水の脱離量により検証した.本方法が半導体集積回路材料からの放出ガスの定量分析に有効であることを示すとともに, 従来, 微量定量分析が困難であった水素や水に対しても, 脱離量の検出下限は約1×10^<13>/cm^2と高感度な定量分析が可能であることを明らかにした.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1994-10-05
著者
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