重金属存在下における擬三相平衡を利用するタリウム(I)とタリウム(III)の相互分離

概要

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高速かくはん下で水相と有機相の混合溶液から水相を分離することが可能な〓紙相分離器を使用する擬三相平衡での抽出分離法を検討した. 最適条件により, Tl(I)とTl(III)及びその他の重金属を含む溶液からTl(I)とTl(III)を有機相にそれぞれ抽出し, 重金属を水相に残すことにより三成分に分離することができた. 抽出容器Aにジチゾン又はチオオキシン-クロロホルム溶液を加え, 抽出容器BにPAN-クロロホルム溶液を加えた. また, 水相にはTl(I),Tl(III),Mn(II),Fe(III),Ni(II),Cu(II),Zn(II)とマスキング剤としてEDTA溶液を加えた. 高速かくはん下での循環後, Tl(I)はジチゾン又はチオオキシン-クロロホルム溶液へ99%以上抽出され, Tl(III)はPAN-クロロホルム溶液へ99%以上抽出された. また, Mn(II), Fe(III), Ni(II), Cu(II), Zn(II)はFDTAでマスキングされたため水相中へ残った.
社団法人日本分析化学会の論文
2000-09-05