論理的データ解析における階層的分解構造について

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本研究では, データ集合として正例の集合Pと, 負例の集合Nの対(P,N)が与えられたとき(ただし, P,N⊆R^d, P∩N≠0), 論理関数の分解可能性を利用してこれらの属性値の間に成り立つ関係を求めることを考える。そのため, まず各属性ごとにいくつかのカットポイントを導入し, 数値データ集合対(P,N)を2値データ集合対(T,F)に変換する(ただし, T,F⊆{0,1}^n, T∩F≠0である)。(T,F)を部分定義論理関数(partially defined Boolean function, pdBf)と呼ぶ。pdBf(T,F)と矛盾しない完全定義論理関数fを拡大(extention)と呼ぶ。拡大fを求めることは, (T,F)から論理的な形で知識獲得を行なっていると見なすことができ, ひいては元のデータ集合(P,N)の論理的解析の一形式と考えられる。ここでは拡大fが分解構造f=g(x[S_0], h(x[S_1]))を持つ場合に着目し, このときスキームF_0(S_0,F_1(S_1))を持つ, という。これまでの研究により部分定義論理関数(T,F)のF-0(S_0,F_1(S_1))-分解可能性と(拡大可能である場合)その拡大を求めることは, 多項式時間で可能であるが, エラー最小の拡大(BEST-FIT拡大)を求める問題はNP困難であることが知られている。従って本研究ではF_0(S_0,F_1(S_1))-分解可能なBEST-FIT拡大を求めるためには近似解法を使用する。これをすべてのS_0, S_1の組み合わせに対して適用するという手順を再帰的に実行すれば, 全変数集合間の分解構造を階層的にとらえることが可能となる。本研究では,このアプローチの有効性を見るため, 実データ例に適用し, その結果を検討した。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

論理的データ解析における階層的分解構造について

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