加算平均波形をマザーウェーブレットとしたウェーブレット変換による単一誘発脳電位分析
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概要
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ウェーブレット変換(wavelet transform)は、時間周波数解析を行うことができる方法として多くの分野、特に信号処理のあらゆる分野で使われている。その中でも、生体信号処理、特に脳波解析の分野においてもいくつかの応用が見られる[1]。人間の頭皮上で測定される事象関連電位(ERP, event-related potential)のうち、刺激提示後、潜時釣300msに出現する陽性成分はP_<300>と呼ばれている。P_<300>は、人間の心理過程と対応した大脳のより高次な機能を反映して変動する成分だといわれている。通常、P_<300>は数十回から数百回の試行において記録した脳波を、刺激が提示された時点をそるえて重ねあわせ、各時点における平均値を求める加算平均処理を行って求める。しかし、P_<300>波形の特徴は刺激ごとに変化するため、個々の試行におけるP_<300>波形の特徴については加算平均処理では分析できないという問題がある。そこで本研究では、個々の試行におけるP_<300>を分析するために、各試行の事象関連電位を加算平均した波形をマザーウェーブレット(analyzing wavelet)としたウェーブレット変換-ウェーブレット逆変換(WT-IWT)のフィルタを構成した。そして、P_<300>成分を含む脳波データを作成したフィルタで処理し、得られた波形と元の波形を比較した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
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松永 勝也
九州大学大学院システム情報科学研究院
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志堂寺 和則
九州大学大学院システム情報科学研究科
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松永 勝也
九州産業大学情報科学部知能情報学科
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井上 朋紀
九大 大学院
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井上 朋紀
九州大学大学院システム情報科学研究科
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