概念ベースを用いた複合語概念の合成

概要

論文の詳細を見る
我々は, 人間が不完全な知識の下で行う概括的な判断を計算機上で実現する「アバウト推論」の研究を行なっており, そのためには大規模な常識知識が必要であると考えている。そこで, 常識を構成する日常的な言葉の意味(概念)を辞書から自動獲得して知識ベース(「概念ベース」と呼ぶ)を構築し, 状況や文脈を表す単語(「観点」と呼ぶ)が与えられた時に概念間の類似性を判別する方式を提案した。これまで, 約4万の日常語の概念ベースを構築し, 類似性判別方式の評価を行なった。単語間の類似度は, 各概念を表すベクトルの余弦として求められる。単語の概念は, 属性とその重みの対の集合により構成されているが, 類似度を計算する際には, 属性をシソーラスのカテゴリーに変換し(この操作を「圧縮」と呼ぶ), カテゴリー数次元の空間上のベクトルとして表現する。この時, 圧縮された個々の属性は独立しているとみなす。また, 類似度の計算はベクトルを正規化した後に行なう。表1に, 2つの概念の属性(圧縮前)と重みの一部を例として示す。[table]このような概念ベースの規模を拡張する方式の一つとして, ユーザがどのような語を入力しても, 概念ベースを用いてその語の概念を近似的に表現するユニバーサル概念ベースの構想を提案した。本稿ではその基本部分である, 複合語の概念を合成する方式を提案する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

概念ベースを用いた複合語概念の合成

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク