分散協調システムの確率ペトリネットによる確率的挙動解析

概要

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近年、大規模、複雑化する計算機ネットワークシステムに対して、信頼性と耐故障性の向上が要求されている。この要求に従い、計算機ネットワークシステムのアーキテクチャは全体を一括管理する集中型から自らの規範に従って行動する部分が他の部分との協調によって自らの目的を達成する自律分散指向に基づいた自律分散システムや知的制御システムが提案されている。このようなシステムは、特定の待機系が存在しないので、故障した制御装置の担当していたタスクは、隣接する制御装置により分担され、装置間での協調動作によりバックアップされるので装置間の相互作用が重要となる。これまでの研究では、分散協調システムの協調動作のアルゴリズムや方式が多く提案されているが、それらがシステム性能に与える影響については十分な評価方法が確立されていない。本稿では、システムの故障回復動作が隣接装置の協調動作によって行われる協調バックアップ方式を、確率ペトリネット(Stochastic Petri Net,以後SPNと記す)によりモデル化し、分散協調システムの協調動作のあり方について検討する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20