OSCAR上での音声認識の並列処理手法

概要

論文の詳細を見る
音声認識における特徴抽出の有効な一つの手段として、音声波形から調音の状態を推定する方法があり、これを大別すると、理想化された声道モデルを用いて音声波の音響的特徴量に等価な音響管を推定するものと、調音モデルを設定してその調音パラメータを推定するものとがある。そのうち、調音モデルに基づく推定法では、調音器官の構造によって拘束された声道形の枠組みの中で、モデルと音声波の間の音響的な適合基準を最適にする調音パラメータ、あるいは声道形が推定され、声道の損失などを含めたより正確な音声生成モデルを導入することができる。そして、この調音パラメータの推定では、重みつき2乗誤差の和の評価関数の下での非線形最適化問題となるために、評価関数の計算、連立一次方程式の求解、ヤコビ行列の計算などの繰り返し計算が必要となる。従って、計算機上ではこの反復計算部分の計算量が大きくなり、この部分を高速化することは特徴量抽出の高速化のために必要となる。特に、反復計算部分の中でも、ケプストラム係数という音響量はヤコビ行列の計算の中などで数多く計算されるので、この高速化は重要である。本稿では、この反復計算部分において最も計算量の多いケプストラム係数計算の高速化のために並列処理技術を適用することを考え、マルチプロセッサ上で効率良い並列処理を行うための手法を提案する。
1990-09-04

OSCAR上での音声認識の並列処理手法

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク