ファジィ推論による実時間手書きひらがな認識

概要

論文の詳細を見る
正しい画数で書かれた手書き漢字については,ファジィ推論による実時間手書き漢字認識で,既に,高い認識率を達成している.この方法では,フーリエ変換を用いて文字のストローク毎の特徴を抽出しファジィ推論を用いて手書き漢字の曖昧さを吸収することにより、少ない計算量で高い認識率を達成している.しかし,このアルゴリズムで,手書きひらがなの認識を行なうとすると,高い認識率を達成することができない.これは,ストローク数が少ないことによる文字の特徴量の不足と,[わ]と[れ]のように,あるストロークの1部分のみが異なる非常によく似た文字の存在が原因となっている.そこで,手書きひらがなの認識率を高くするには,この認識アルゴリズムを改良することが必要となる.本論文では,ひらがなの特徴量の欠如を補うために,それぞれの文字の特徴をよく表す部分からストローク(特徴ストローク)を生成し,それをその文字の1つのストロークとして加えることで,高い認識率を達成する,ファジィ推論による実時間手書きひらがな認識のアルゴリズムについて述べる. また,その手法を用いた認識実験の結果も示す.
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-10-16