信頼性の低い文字認識結果に対する言語情報を用いた誤認識文字の訂正

概要

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手書き文字認識システム実用化の課題として,認識対象文字種の拡充と筆記方法に関する制約の排除があげられる.これを実現するには認識精度の低下が避けられず,実用化にあたっては言語処理により認識精度を向上させる知識処理が不可欠の要素である.本論文では,信頼性の低い文字認識結果を対象とした誤認識文字の訂正システムを開発したのでこれについて述べる.自由筆記などが原因で著しく信頼性の低下した文字認識結果では,言語処理結果そのもののあいまいさに加え,文字認識結果のあいまいさから,精度良く誤認識文字を訂正することが難しい.また,文章中に1文字単語が出現することにより言語処理の精度が低下してしまう問題がある.本手法では,複数候補文字の組み合せからできる文字列に対する形態素解析の結果を,より多くの言語情報と文字認識結果に対する信頼性の指標を利用した,単純な評価関数の組み合わせで評価する方法により,文字認識結果と形態素解析結果のあいまいさの問題を解決した.また,1文字単語により引き起こされる言語処理の弊害を,形態素解析に用いる単語辞書の構成と検索方法を改良することにより削減した.実際の文書を入力した文字認識結果を用いた実験により,本手法で用いた形態素解析結果の評価方法が,文節数最小法などと比較して文字認識後処理に有効であることを確認した.また,認識率が誤り訂正を施すことにより平均6.8%向上し,誤認識文字の訂正法が有効であることを確認した.
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-10-15

信頼性の低い文字認識結果に対する言語情報を用いた誤認識文字の訂正

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