英文コーパスに対する知的検索の試み

概要

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近年計算機の普及に伴ない、教育・研究の分野において、英文コーパスのような自然言語で表わされた文章を用いた全文データベース検索が幅広く利用されるようになった。そして、これらのデータベースを利用した研究が多くなってきた。われわれは、このような英文コーパスを利用した検索システムを検討してきた。英語研究者が語の用法を分析する場合にも、検索システムがその語の持つ文法機能を基準にして検索をおこなえば、現在のような手作業によるよりもかなり効率の良い検索が可能になる。本研究は、英文コーパスの語句検索を、前後の語句との関連を特定しつつ行うことによって、意図しない検索結果を減少させ、検索のヒット率を向上させることを目的に行っている。ここでは、語句がもつこのような関係のうち、比較的検討しやすいと思われる統語構造に関する関係、とくに語句の文法的な役割や係り結びなどの関係(以下このような関係を語句の文法機能と呼ぶ)について、検討する。このような文法機能の特定には、検索対象語句を含む文を抽出するとともに、その構文解析が不可欠である。この構文解析は、データベース検索機能の一環としておこなわれねばならないから、高速に行われる必要がある。ところで、この構文解析は完全である必要はなく、語句の文法機能が特定できる程度に行えばよい。また、意図しない文例を減少させるのが目的であるから、構文解析結果が一意的である必要もない。われわれは、このような条件下で機能する構文解析ルール知識、あるいは形態素解析知識の表現と利用方法を検討し、プロトタイプ検索システムの試作を行ってきた。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20

英文コーパスに対する知的検索の試み

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