交代級数に対する最適線形加速法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
無限係数S=Σ^^∞__<n=0>a_n ---(1) に対する加速法とは,Sに対する近似列{δ_n},δ_n=δ_n(a_0,…,a_n) ---(2) である。δ_nがa_0〜a_nに関して線形なら{δ_n}は線形加速法とよばれる。もちろんある線形加速法が有効に働くには,(1)の無限級数が何らかの仮定を満さねばならない。ここでは各項が,a_n=(-1)^n∫^1_0x^nf(x)dx ---(3) となる級数を対象とした線形加速法について考える。(3)はやや恣意的のようであるがa_n=(-1)^n(1/<n+α+1>)^<β+1>=(-1)^n∫^1_0x^n<x^α>/<Γ(β+1)>(log1/x)^βdx ---(4) のような基本的な交代級数をふくんでいる。また,f(1)≠0で1の近傍でfが連続ならnが十分大きいところではa_nの符号は交代し,|a_m|z0(1/n)で収束も遅い。さて線形加速法をδ_n=Σ^^n__<l=0>α^<(n)>_l(-1)^la_l ---(5) とすると(3)よりδ_n=∫^1_0φ_n(x)f(x)dx ---(6) ここでφ_n(x)=Σ^^n__<l=0>α^<(n)>_lx^l ---(7) {φ_n}を{δ_n}の特性多項式とよぶ。また同じく(3)よりS=Σ^^∞__<n=0>(-1)^n∫^1_0x^nf(x)dx=∫^1_01/<1+x>f(x)dx ---(8) 故にδ_nの誤差はS-δ_n=∫^1_0{1/<1+x>-φ_n(x)}f(x)dx ---(9) したがって加速法の有効性は1/(1+x)に対するφ_n(x)の近似度で評価される。あるノルムについてφ_n(x)が1/(1+x)のn次最良多項式近似なら{δ_n}を最適とよぶことにする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
関連論文
- Quadrature rule for Abel’s equations: uniformly approximating fractional derivatives
- Quadrature rule for Abel's equations: uniformly approximating fractional derivatives (計算科学の基盤技術としての高速アルゴリズムとその周辺--RIMS研究集会)
- Uniform approximation to fractional derivatives of functions of algebraic singularity
- 多項式剰余列の安定な拡張算法
- 自然な数学インタフェースを持つプログラミング環境(科学技術における数値計算の理論と応用II)
- 数式の意味解釈とその文法及びメタ言語
- Givens 回転による多項式剰余列の拡張算法
- 自然な数学表記のためのユーザインターフェイス
- 多項式剰余列の安定な生成法
- 自然な数式ヒューマンインタフェースに関する研究
- 数値的に安定な一変数多項式剰余列の生成法(数値計算アルゴリズムの現状と展望II)
- 知識ベースによる数式の意味解釈とその応用
- Durand-Kerner型補助関数を用いた非線形方程式の多段反復解法
- 数式のデータ表現と意味解釈システム
- 孫子定理の一応用 : 代数方程式の数値的因数分解(数値解析とそのアルゴリズム)
- 分割統治法による多項式の数値的因数分解
- 準等間隔標本点上の三角多項式補間
- 準等間隔標本点上の実高速フーリエ変換
- 大規模一般化固有値問題の解法とその並列化 (微分方程式の数値解法と線形計算)
- 代数方程式に対する高次Pomentale法の収束特性(数値計算アルゴリズム)
- 代数方程式に対する高次Nourein法の収束特性(数値計算アルゴリズム)
- 解析関数の多項式因子を求める精度保証付き解法
- Pade近似を用いた数値等角写像の計算法
- 解析関数の多項式因子を求める方法 (微分方程式の離散化手法と数値計算アルゴリズム)
- 扇形領域におけるPoisson方程式に対するCosine-Chebyshev-Galerkin法
- 扇形領域におけるPoisson方程式に対するLegendre-Galerkin法
- 解析関数の因子を求める方法とその精度保証 (精度保証付き数値計算法とその周辺)
- 角をもつ有界領域におけるPoisson方程式に対する無限要素解法の実装
- 線型連立系に対する積型反復解法の加速多項式の評価
- Mathematical Notation Understanding Methodology
- Legendre-Galerkin Method for Poisson Equation on a Fan-Shaped Domain (Numerical Solution of Partial Differential Equations and Related Topics)
- 交代級数に対する最適線形加速法
- y"(x)=f(x), y(-1)=y(1)=0の最適な数値積分公式について(数値計算の基本アルゴリズムの研究)
- 数値等角写像におけるTheodorsen方程式の解法
- ニ次元フーリエ展開におけるN $\log_2$ N個の係数の選択的計算法 (数値計算のアルゴリズムの研究)
- 数値計算のつぼ(7)行きはよいよい?
- 数値計算のつぼ(3)この精度でご満足?
- 第27回数値解析シンポジウム(学術会合報告)
- 計算環境の改善を
- A Series of Collocation Runge-Kutta Methods
- 基数2のFFTに基づく任意項数の離散型Fourier変換
- Wegmann 法に基づく数値等角写像の自動化について
- 3, 4, 5, 6次元GLPの探索について
- 等角写像に関する Wegmann の方法の不安定性の解析とその安定化
- 高次収束する代数方程式の全根同時反復解法
- Pade近似による代数方程式の反復解法
- 高次収束する代数方程式の全根同時反復解法(数値解析と科学計算)
- 静電場的解釈による実係数代数方程式の反復解法
- 静電場的解釈に基く代数方程式の解法とその応用(数値計算基本アルゴリズムとそのソフトウェアの研究)
- 標本数を漸増する補間型積分則の重みの正値性について(数値計算基本アルゴリズムとそのソフトウェアの研究)
- 静電場的解釈による代数方程式の解法
- 実係数代数方程式の連立型解法とその静電場的解釈(並列数値計算アルゴリズムとその周辺)
- 第1種不完全複素楕円積分の全域かつ一様近似(II)
- 第1種不完全複素楕円積分の全域かつ一様近似
- 第1種複素楕円積分の全域近似 : 母数が小さい場合(並列数値計算アルゴリズムとその周辺)
- Quadrature rule for indefinite integral of algebraic-logarithmic singular integrands
- Numerical Evaluation of Goursat's Infinite Integral with an Unbounded Function
- Quadrature rule for indefinite integral of algebraic-logarithmic singular integrands