Bacilus amyloliquefaciens 細胞膜におけるα-アミラーゼ合成の免疫化学的検出 J. Ferment. Technol., 54,p. 374〜382,1976

概要

論文の詳細を見る
前報において, 膜区分を主体とするin vitro蛋白合成系の諸性質について明らかにしたが, ここでは蛋白合成が膜結合ポリソームにおいて進行することを示し, 細胞質の系との比較において, 主に膜結合ポリソームでα-アミラーゼが合成されることを免疫化学的方法により明らかにした.膜画分およびプラズマ画分(S-105)より成る蛋白合成系を60%蔗糖上に30〜15%蔗糖密度勾配を作り, その上に反応液を重層し20,000回転4時間の遠心分離を行い, 沈降分析を行った.膜画分は60%と30%蔗糖界面に回収され, 蛋白合成反応の進行に伴い, この画分に合成蛋白として検出される放射能の増加が認められた.またこの放射能の増加はピウロマイシン, クロラムフェニコールの添加によって阻害された.また, 遊離ポリソームに相当する画分には放射能の増加はほとんどみられなかった.以上の結果より, この系では膜結合ポリソームにおいて蛋白合成が起こるものと考えられる.遊離ポリソームよりなる系(S-30)においても蛋白合成は認められたが, α-アミラーゼに特異的な抗血清との沈降反応物中へ回収される放射能はほとんど認められなかった.一方, 先に述べた膜結合ポリソームより成る系での蛋白合成においては, 全合成蛋白の16〜17%が, 抗血清との沈降反応物中に回収された.さらに, α-アミラーゼ合成の最も盛んな細胞より調製した膜を用いた場合, 全取り込みの60%に相当する放射能が沈降反応物中に回収された.このことより, α-アミラーゼは主に膜結合ポリソームにおいて合成され, そのmRNAは安定に蓄積されていくと考えられた.
社団法人日本生物工学会の論文
1976-06-25

Bacilus amyloliquefaciens 細胞膜におけるα-アミラーゼ合成の免疫化学的検出 J. Ferment. Technol., 54,p. 374〜382,1976

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク