初発酸素移動容量係数, k_Laのタバコ細胞の回分増殖に与える影響 : タバコ細胞の培養生産(I)

概要

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Nocotiana tabacum L. var. BY-2より誘導した細胞を用い, 蔗糖を炭素源とした懸濁培養を行なった. 懸濁培養下の細胞の一般的形状は円筒形であり, その大きさは, ほぼ30〜50μm×50〜100μmである. 培養槽の初発酸素移動容量係数, k_La, の値を10hr^<-1>以上に設定した場合, 回分培養での細胞濃度は, 初期糖濃度35g/lに対して14.9g/lに達し, 蔗糖に対する増殖収率は, 0.43g cell/g sucroseであった. 一方, k_La値を10hr^<-1>以下にした場合には, 細胞の増殖が培地中に糖を残ったままのほぼ停止する現象がみられた. 例えば, k_la=5.3hr^<-1>では, 初期蔗糖の約70%が培地中に残ったまま細胞増殖は, ほぼ停止した. これらの現象について, エネルギー論の立場から検討を加えた. 回分培養でのBY-2細胞の比増殖速度の最大値は, 0.68day^<-1>であったが, 15l培養槽を用い, 150又は200rpmの攪拌回転数で細胞培養を行なった場合, 激しいバルキングや発泡がしばしば起り, 安定した培養が行なえない現象がみられた.
社団法人日本生物工学会の論文
1975-10-25