1500l醗酵槽によるタバコ組織の連続培養 : Biomass Production of Tobacco Cells (Part II)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Nicotiana tabacum L. var. BY-2より誘導した細胞の1500l培養槽による連続培養を, 培養細胞の増殖特性及び大型装置での生産性を知る目的で行なった.1500l培養槽での連続培養は, 希釈率(D), 0.31〜0.61day^<-1>, 供給倍地中の糖濃度(S_0), 20〜31g/lの範囲で7回行なった.各々の実験条件での培養期間は9〜11日であり, 連続培養中のほぼ定常と思われる細胞乾物濃度及び倍地中の残存糖濃度の値から, 細胞の生産量(DX), 1.86〜3.82g/l・day, 糖に対する収率(Y_<X/S>), 0.36〜0.50g/gの値が得られた.BY-2細胞の生産量の最大値は, D=0.42day^<-1>, S_0=26g/lの条件で得られ, その値は, 3.82g/l・dayであった.1500l培養槽を用いての回分培養中の, BY-2細胞の比増殖速度の値は, 0.62day^<-1>であり15l小型培養槽での値, 0.69day^<-1>より小さな値であったが, これは1500l培養槽が空気攪拌型の装置であるため, 細胞が高濃度に達した場合の培養液の混合攪拌が充分に行なわれないことに起因するもとの思われる。このことは, 細胞の大量培養に於いて将来培養液の混合, 攪拌の問題がクローズアップされることを示唆しているものと言えよう.細胞の大きさは, 培養ageによって変化するがその変化は, 長さ(d_2)>巾(d_1)であり, 連続培養中は管状に繋がった細胞が多くみられ, D=0.35day^<-1>, S_0=26g/lでの連続培養では, 細胞の大きさの平均値は, 各々d^^-_1=43μm, d^^-_2=74μmであった.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1976-02-25
著者
関連論文
- 1500l醗酵槽によるタバコ組織の連続培養 : Biomass Production of Tobacco Cells (Part II)
- 417 タバコ細胞の連続培養の試み
- タバコ細胞の増殖に対する温度の影響
- 306 タバコ植物細胞の増殖と培地成分の検討
- 初発酸素移動容量係数, k_Laのタバコ細胞の回分増殖に与える影響 : タバコ細胞の培養生産(I)
- タバコ細胞の工業培養生産に関する研究
- 437 連続培養によるタバコ培養細胞の窒素低減法
- 438 タバコ培養細胞の糖に対する増殖反応
- 455 比濁法によるタバコ培養細胞の濃度測定
- 307 タバコ植物細胞の培養生産
- 植物繊維抄造成形材の厚さ方向有効熱伝導度
- 薄層材料の間接加熱乾燥
- 細胞壁質材料の平衡水分について