Cephalosporium sp.によるフルフリールアルコールの代謝
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概要
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フリフリールアルコールを単一炭素源として増殖する微生物を土壌中より分離し同定した結果Cephalosporium sp.と同定した.この株はC. acremoniumまたはC.roseo-griseumに近縁であるがコロニーの色, ならびにphialosporeの大きさが既報と一致せず一応Cephalosporium sp.とした(Fig. 1).本菌はフルフリールアルコールと無機塩のみの培地では増殖は貧弱であるが, カサミノ酸または酵母エキスを添加すると良好な発育を示すようになる.カサミノ酸の効果はその中の特定のアミノ酸によるものではなく, 含有アミノ酸すべての相和作用に依っていた.フルフリールアルコールの他に炭素源としてグルコースや, コハク酸を0.1%または0.3%添加すると, フルフリールアルコールのみの場合より増殖, フルフリールアルコールの代謝ともに速やかであった.試験した他の炭素源, 酢酸, グリセロールや乳酸では効果が見られなかった(Fig.3).本菌をフリフリールアルコール濃度0.5%以上含む基本倍地に摂種すると菌の発育は阻止される(Fig.4).しかし一度フルフリールアルコールを含む培地で増殖した菌をフルフリールアルコール培地に移すと0.7%濃度まで耐性となりフルフリールアルコールを代謝する(Fig.5).本菌を一度0.2%フルフリールアルコール培地に増殖させた後, 毎日フルフリールアルコール0.1%または2日毎に0.2%添加すると16日間の試験期間中良好な結果が得られた(Fig.6).グルコース培地に増殖した菌体をフルフリールアルコールの培地に移植すると6時間のlag後にフルフリールアルコールを消費しはじめる.同時にフルフリールアルコールを基質とする酸素吸収(Qo_2)活性, およびフルフラール依存性のNADH酸化活性が同時に出現する.さらにこの3つの活性は比例的に増加するのでfurfuryl alcohol dehydrogenaseがフルフリールアルコール代謝の第一段階の酵素であると推定した.
- 社団法人日本生物工学会の論文
著者
-
高田 信男
大阪大・工・醗酵
-
木下 晋一
大阪大学工学部生物工学国際交流センター
-
岡田 弘輔
阪大・工・生物工学国際交流センター
-
岡田 弘輔
大阪大学工学部醗酵工学教室
-
高田 信男
阪大・工・醗酵
-
康 順善
阪大 工 醗酵
-
康 順善
大阪大学工学部醗酵工学教室
-
高田 信男
大阪大学工学部醗酵工学教室
-
木下 晋一
大阪大学工学部醗酵工学科
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