光化学的従属栄養代謝の利用に関する研究 : (1) 藻類の分離および嫌気培養

概要

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淡水または海水ベースの有機培地に試料を接種して, 照明下に嫌気的に培養して光化学的従属栄養微生物を集殖し, 遠心洗滌後, 有機寒天培地を用いて希釈平板を作り, 寒天表面にポリ塩化ビニリデン膜を貼りつけて, 好気的菌類の繁殖を防ぎつつ照明下に培養し, 緑または赤い深部コロニーが現れたなら, ポリ塩化ビニリデン膜を焼き払い, 双眼実体顕微鏡下で, 殺菌した毛管ピペットによりコロニーを吸い取って保存培地に移す方法により, 淡水性62,水性32株の藻類および光合成細菌を分離した.1〜3 ml入り小型通気培養管を用いて特定のガスを通じつつ, 分離株を含む代表的藻株を照明下に培養した結果, これらの藻につき, 次の知見を得た.1) これらの藻は, ブドウ糖, 酢酸塩またはペプトンを唯一の炭素源として生育することができる.2) 二酸化炭素は, 一般に光が強い時にのみ生育を促進するが, 藻の嫌気的生育によるCOD除去に対しては抑制的に作用することが多い.3) 有機培地中では, 大気中における場合より, 嫌気的条件下の方がよく生育することがある.
1971-09-25