リターの分解について(V) : アカマツの葉, 幹および根の分解率の推定
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概要
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アカマツの落葉, 幹および根の分解率を求めた。(1)落葉をバッグに入れ林床に3年間放置した。重量は1年目で設置時の60%, 2年目で35%, 3年目で25%と時間の経過とともに指数関数的に減少した。この分解率は0.474であった。(2)生の幹を50cmに切りそろえ林床に4年間放置した。重量の減少速度は太さによって違い, 太い材ほど分解が遅かった。分解率を求めると, 直径1〜2cmで0.20,5〜6cmで0.12,9〜10cmで0.07であった。重量減少率と比重(重さ/容積)との間には比例関係が認められた。また, 幹材からのCO_2発生率は比重の小さい幹材ほど大きかった。(3)生の根を太さ別にバッグに入れ3年間土に埋めた。根の分解も幹材と同様太いほど遅い傾向があり, 分解率は直径0.9cmの根で0.20,2.5cmで0.16,5.5cmで0.14であった。
- 日本森林学会の論文
- 1977-09-25
著者
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