スギ幼齢木の木部圧ポテンシャルの日経過と季節変化
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概要
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3〜4年生スギ幼齢木(樹高約3m)の木部圧ポテンシャルを1974年7月から1975年8月までプレッシャーチャンバー法で測定し, 日経過をしらべた。生育期の木部圧ポテンシャルは日射や気温の変化とよく対応するが, 生育休止期のそれは日射や気温の変化に対応せず日変動もわずかであった。明けがたの木部圧ポテンシャルは秋から減少をはじめ, 冬から春先にかけて低く, 3月半ばに最低値を示したあと上昇し, 夏期に-2〜-4 barと比較的高い値を示した。日中の木部圧ポテンシャルの最低値は, 冬に-8 bar前後を示し, 3月半ばに急激に下降し, 生育期間中は-10〜-14 barを示した。一日の水ストレスは春にもっとも大きく, つゆどき一時減少したのち8月再び増大した。これらの結果から, 光合成に影響を与える水ストレスは春期に多くあらわれると思われる。
- 日本森林学会の論文
- 1977-08-25
著者
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