森林土壌中の無機態チッ素量に関する研究(II) : チッ素の無機化量と全チッ素量, C/Nおよび炭素の無機化量との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
いろいろな森林から採取した表層土および下層土を30℃に保った恒温器の中で4週間培養し, 無機化されたチッ素量と全チッ素量, C/Nおよび炭素の無機化量との関係を調べた。(1)同じくらいのC/Nをもった表層土における全チッ素量とその無機化量との関係はほぼ比例関係にあり, 全チッ素量の多い土壌ほど無機化量も多かった。また, 無機化量の垂直分布は表層土でもっとも大きく, 深くなるにつれて減少した。(2)チッ素の無機化率はC/Nに大きく影響され, C/Nが大きくなるにつれて無機化率は小さくなる傾向を示した。(3)チッ素の無機化量と炭素の無機化量との関係では同じくらいのC/Nをもった土壌では表層土も下層土も両者の間にほぼ比例関係があり, 炭素の無機化量が大きい土壌ではチッ素の無機化量も大きかった。(4)表層土において無機化された炭素量とチッ素量の比(Cm/Nm)とC/Nとの間に, C/N≦17のとき, Cm/Nm≒C/N C/N≧17のとき, Cm/Nm≒7C/N-102の関係式が得られた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1970-03-25
著者
関連論文
- ブナ天然林とヒノキ人工林の物質生産とその循環
- リターの分解について(V) : アカマツの葉, 幹および根の分解率の推定
- ササ群落に関する研究(II) : ミヤコザサの現存量および生産構造の季節変化
- 森林の生産構造に関する研究.XVIII. : 朝日岳周辺におけるシラベしま枯れ林の構造と一次生産
- ササ群落に関する研究(I) : アズマネザサの現存量の季節変化とそのリターフォール量
- ケヤキに対する大気汚染の影響
- 林木の呼吸速度とチッ素含有率について
- Litterの分解について(III) : 亜高山帯林での材の分解について
- Litterの分解について(I) : Litter bag法による分解速度についての検討
- ササ群落に関する研究(III) : 明るさとミヤコザサの現存量
- 森林生態系における養分の循環について(I) : 個体および林分の地上部の養分量
- カンレンボク模型林分における物質の動き
- スギ・ヒノキ混交林の林分構造
- 幼齢スギ林における利用間伐モデル試験
- スギ模型林分における関伐試験
- ヒノキ・アカマツ混交林に関する研究(VI) : 苗畑混交林の物質生産量
- ササ群落に関する研究(IV) : ミヤコザサの刈取り時期と再生との関係
- 環境測定法IV森林土壌, 河田弘, 小島俊郎著, 166ページ, 図31,表9,共立出版, 東京, 1976年, 1,500円
- リターの分解について(IV) : 土壤呼吸量中の根の呼吸量の推定
- リターの分解について : II.2種類の落葉混合が分解速度に及ぼす影響
- Litter Fallによる養分還元量について(II) : 有機物量および養分還元量
- 森林土壌中の無機態チッ素量に関する研究(II) : チッ素の無機化量と全チッ素量, C/Nおよび炭素の無機化量との関係