リターの分解について(IV) : 土壤呼吸量中の根の呼吸量の推定
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概要
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土壤呼吸量中に含まれるおよその根の呼吸量をつぎの2実験によって推定した。(1)アカマツ林, コナラ林, ヒノキ・カラマツ2段林の3高木林では, すでに土壤有機物が動的平衡状態にあるとして, 土壤呼吸量からリターフォール量をさし引いた量を根の呼吸量とした。土壤呼吸量は有機物換算で474〜806g/m^2・年で, リターフォール量は3年間の平均値で354〜543g/m^2・年となり, その差から根の呼吸量は134〜160g/m^2・年となった。(2)苗畑に作られた5年生スギ林と15年生アカマツ林の模型林分では, 一定面積の周囲の根を切断し根の呼吸を止めたところと自然状態での土壤呼吸量との差から根の呼吸量を推定した。根の呼吸量はスギ林で90g/m^2・年, アカマツ林で123g/m^2・年(有機物換算)となり, 土壤呼吸量の40%と20%を占めた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1976-10-25
著者
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