Litter Fallによる養分還元量について(II) : 有機物量および養分還元量
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概要
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Litter fallによって林地に加えられる有機物量および養分量を6林分(2つのアカマツ林, ヒノキ林, ブナ林, ミズナラ林, 照葉樹林)と1苗畑で測定した。1)1年間のlitter fall量は2.51〜7.76ton/haであり, このうち葉の占める比率はミズナラ林とブナ林で83%, 針葉樹林で54〜78%であった。2)litter fallによって還元された養分量はチッ素15.2〜72.5kg/ha, リン0.7〜5.0kg/ha, カリウム3.6〜16.4kg/ha, カルシウム22.3〜72.6kg/ha, マグネシウム2.7〜13.8kg/haであった。3)林木の生長とともに土壌から吸収された養分量とlitter fallによって還元された養分量との比率(還元率)は, チッ素33〜52%, リン36〜69%, カリウム23〜43%, カルシウム62〜85%, マグネシウム52〜98%となり, カリウムの還元率がもっとも小さかった。4)生態系のもつ養分現存量とlitter fallによる養分還元量との比率をみると, チッ素0.2〜0.9%, リン1.8〜4.5%, カリウム0.6〜2.9%, カルシウム1.6〜5.4%, マグネシウム3.3〜9.4%となり, litter fallによる養分量の移動はチッ素がもっとも小さい傾向にあった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1971-08-25
著者
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