DNA分子マーカーによるアカクロマツ(Pinus×densi-thunbergii)のゲノム解析 : その雑種性の検証
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概要
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DNA分子マーカーを用いて, アカマツ, クロマツおよび形態的に両種の中間型を示す個体(アカクロマツ)の核および葉緑体ゲノム構成を調べ, その雑種性についての検証を行った。まず, 葉緑体ゲノム解析を行った結果, 樹脂道指数(RDI)が, 1.8付近を境に葉緑体ゲノムがアカマツ型(<1.8)とクロマツ型(>1.8)に明確に分かれた。また, 核ゲノム構成を調べた結果, アカマツ型の葉緑体ゲノムを保有する個体の中で, RDIが1.4〜1.8の範囲のものだけが, アカマツとクロマツ両種の核ゲノムを保有した雑種個体であった。このことから, 雑種形成の頻度は従来考えられていたよりもはるかに低く, アカクロマツなどの名称で呼ばれる中間型個体の多くはアカマツであることが判明した。また, 雑種個体の葉緑体ゲノムはすべてアカマツ型であった。針葉樹において葉緑体DNAは父性遺伝することから, 雑種形成は, クロマツを母樹とし, これにアカマツ花粉が受精することによってのみ起こっており, 両種間に強い生殖隔離が存在することが明らかとなった。
- 日本森林学会の論文
- 1996-08-16
著者
-
白石 進
九州大学農学部林産学科
-
渡辺 敦史
九州大学農学部
-
渡辺 敦史
(独)林木育種センター
-
戸田 忠雄
材木育種センター九州育種場
-
戸田 忠雄
林木育種セ
-
川瀬 英治
九州大学農学部
-
那須 孝
林木育種センター東北育種場
-
川瀬 英治
九州大学農学部:山梨県庁
-
白石 進
九州大学農学研究院
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