RAPDマーカーによるハゼノキの品種識別
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概要
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ハゼノキは栽培の歴史が古く, 各地に多数の品種が存在する。現在, 品種の識別は果実の形質や外部形態などによっているが, これらは生育環境の影響を受けやすいため, 正確な分類は困難である。本研究では, 環境要因に左右されないRAPDマーカーを用いて, ハゼノキの品種間の遺伝的差異を明らかにし, 簡便かつ確実な識別法を確立することを目的とした。スクリーニングを行った結果, 9プライマーで14個の品種識別に有効なマーカーを選抜することができた。これらのマーカーにより, 既知の7品種19個体の識別を行った結果, 同一品種は同じDNA型を示し, 7品種はそれぞれ互いに異なるDNA型を示した。このことから, RAPDマーカーを用いることにより, 簡便かつ確実なハゼノキの品種識別が可能であることが示唆された。また, これら7品種間の遺伝距離を算出し, クラスター分析を行った結果, 地域的に原産地が近い品種は, 遺伝的にも類似している傾向が認められた。
- 日本森林学会の論文
- 1997-11-16
著者
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