トマト黄化えそウイルス粒子中に存在する相補的 RNA
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概要
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トマト黄化えそウイルス(TSWV)のゲノムは変性条件下において3分節のRNAが確認されている。茨城県のピーマンからの分離株(TSWV-P)のヌクレオキャプシドを精製し1%SDSで処理した後アガロースゲル電気泳動を行った結果, 6本のssRNAのバンド(ss1〜ss6)が観察された。一方, ヌクレオキャプシドからRNAをproteinase K, SDS-フェノールにより抽出すると少なくとも3本のdsRNA(ds1〜ds3)が認められたがグリオキザール処理により消失し3本のssRNAバンドのみが観察された。そこで, ssRNAをそれぞれ抽出しss 1とss 2, ss 3とss 4およびss 5とss 6をアニーリングさせた結果, ds1はss1とss2より, ds2はss3とss4より, ds3はss5とss6より構成されていることが判明した。また, グリオキザール処理後の各セグメントをプローブとしたノーザンハイブリダイゼーションにおいてもアニーリングのデータを裏付ける結果を得た。次に,ヌクレオプロテイン(Nタンパク)はS RNAにコードされている(de Haan et al., 1990)ので, トリプシン消化後のNタンパク断片のアミノ酸配列から推定される塩基配列と先のRNAシークエンスから相補的配列が同一成分上で存在しない部位の十鎖と一鎖,および3'末端からのダイレクトRNAシークエンシングによる15塩基の配列とその相補的配列の4種のオリゴヌクレオチドをプローブとしてハイブリダイゼーションをおこなったところすべてのプローブともds3に関連するバンドとのみ反応した。これらの結果から, TSWV-PのゲノムRNAは基本的には3分節であるが, その粒子中には相補的なRNA鎖が各成分に対してそれぞれ存在していることが示唆された。
- 1992-07-25
著者
-
都丸 敬一
東京農業大学(元)
-
花田 薫
農業研究センター
-
美濃部 侑三
農業生物資源研究所
-
美濃部 侑三
生物研
-
美濃部 侑三
農水省生物研/STAFF・イネゲノム研究チーム
-
日高 操
東北農業試験場
-
日高 操
独立行政法人農業技術研究機構東北農業研究センター
-
津田 新哉
東京農業大学総合研究所
-
亀谷 満朗
農業研究センター
-
美濃部 侑三
植物ゲノムセ
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