イネに病原性を示すPseudomonas avenae Manns 1909に特異的に存在するタンパク質の検出
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概要
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イネ褐条病細菌 (イネ系統) とイネ以外の作物から分離した同種の細菌 (非イネ系統) を供試し, 第4葉期イネの地上約2cmの葉鞘部位に細菌懸濁液を単針接種して病原性を調査した。その結果, イネ系統は接種部位を中心に数cmにわたって明瞭な褐色の条斑を形成したが, 非イネ系統はイネに病斑を形成しなかった。つぎに, 各菌株の菌体タンパク質を抽出し, SDS-PAGEで分析したところ, 分子量約50,000のバンドがイネ系統に共通して認められたが, その他の泳動パターンにおいてイネ系統と非イネ系統との間で明瞭な差異はなかった。泳動後のタンパク質をフッ化ビニリデン膜に転写し, これに非イネ系統の生菌体で吸収したイネ褐条病細菌H 8502株抗血清を反応させたところ, SDS-PAGEで分子量約50,000に認められたタンパク質が強く認識され, そのタンパク質はイネ系統に共通していた。よって, イネ褐条病細菌は各種植物から分離される褐条病細菌の中でイネに病原性を有する系統であり, 本系統は供試抗血清によって認識される菌系特異的なタンパク質を共有することが示唆された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1996-08-25
著者
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