項関係上での単一化検索を使ったホーン節推論アルゴリズム
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概要
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本稿では,知識ベース処理の1つとして,項関係上での単一化検索(RBU : Retrieval by Unincation)演算の繰り返しによりホーン節推論を行うアルゴリズムを示し,その理論的な定式化を行う.項関係とは,関係データベースにおける関係(テーブル)の格納対象を,述語論理で用いられる項に拡張したものである.またRBU演算とは,項を取り扱うために関係代数演算の比較処理に単一化を導入し,条件と単一化可能な要素を項関係から検索する演算である.ホーン節を二進木表現にして項関係に格納し,RBU演算を繰り返すことにより,後ろ向きおよび前向きの推論が可能であることを示す.ホーン節に対する後ろ向き推論の演繹方法としては,Prolog等で採用されている節中の最左端負リテラルを選択するSLD演繹を対象とし,RBU演算を使ってSLD演繹を実現するアルゴリズムを示す.一方,前向き推論としては,SLD演繹と同様の選択関数を用いるようにした単位演繹であるSUD演繹を提案し,RBU演繹による実現アルゴリズムを提案する.最左端の負リテラルを選択するSLD演繹およびSUD演繹は,探索規則が均等であれば,健全であり完全である.対象とするホーン節の集合が充足不能の場合には,提案したアルゴリズムは,それぞれ反駁を求めて停止する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-10-15
著者
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