知識ベース指向の並列推論処理システム
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
人間の知的問題解決を計算機上で実現するためには,知識ベース管理機構と推論機構をあわせもつ知識ベース指向の推論処理システムが必要であると言われているが,知識ベースの大規模化や推論処理における組み合わせ爆発の傾向が強くなるにつれ,システムの高速性が要求される.本論文では,このようなシステムの高速性に答えるために,これを並列化する方法について提案する.基本的な方式は,メタプログラミングの考え方を基礎にしている.本システムの実現するために利用した並列論理型言語GHCは,単一代入制限をもつプログラミング言語であるので,一つの変数で複数のデータを表現するのが難しい.したがって,GHCにより,知識ベース機能を実現するのが極めて困難であることから,並列推論処理を実現するために利用したGHCの変数と,知識ベースを表現するための変数を区別するような,$変数を知識ベース側に導入する.これにより,$変数を扱う単一化処理や代入処理を実現できる・これらの$変数に関連する処理は,GHCで実現しても効果がないことから,これらを逐次のC言語で実現する.また,大規模な知識ベースに対処するために,GHCから並列アクセスが可能な知識ベース検索機構を実現する.最後に,本システムの並列性能を評価するために,本システムを中核とする制約論理プログラミングシステムを作成したので,その結果について報告する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-15
著者
関連論文
- 大規模知識ベースマシン実験機の開発(4) : 単一化エンジンの評価
- 大規模知識ベースマシン実験機の開発(3) : 単一化エンジンの構成方式について
- 大規模知識ベースマシン実験機の開発(1) : 開発の背景と方針
- 大規模知識ベースマシン実験機の開発(2) : ハードウェアシミュレータ
- 項関係における高速検索手法
- 知識ベース指向の並列推論処理システム
- 知識ベース指向並列処理システム
- 項関係上での単一化検索を使ったホーン節推論アルゴリズム
- 知識ベース指向の並列推論処理システム
- 知識ベース指向並列処理システム
- 知識処理向き並列推論メカニズム
- 項インデクスによる知識検索の高速化