3次元形状モデリングにおける立体集合演算の並列処理方式

概要

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3次元形状のモデリング過程は,形状定義と図形表示の2つの処理からなる.本論文では,形状定義処理のうち,最も計算量の多い立体集合演算について,処理を高速化するための並列処理アルゴリズム,およびこれを効率よく実行する並列プロセッサ・システムの構成方式を提案する本システムでは,立体を構成する面どうしの交差計算および交線生成に要する処理時間が全処理時間の大部分を占めることに注目し,この処理を重点的に並列化することによって集合演算の高速化を図っている.また,全体のスループットの向上のためには,全プロセッサに対する立体データのブロードキャスト,処理結果の回収,立体の再構成といった処理を,相対的に短い時間で行う必要がある.そこで,これらの処理にともなうデータ騒送を必要最小限に抑えるため,2^N個のプロセッサを2分木状に接続し,プロセッサ間で最大N個のメモリを共有するとともに,すべての処理段階において,プロセッサ間でのメモリ・アクセス競合が起こり得ないようにした結合ネットワーク構造,および並列処理方式を,新たに提案する.そして,ソフトウェア・シミュレーションにより,1)本システムの並列処理方式が極めて有効であること;2)一定誤差の補償を含んだ浮動小数点数の比較演算,および3次元ベクトルのスカラ積・ベクトル積計算の専用ハードウェア化が性能向上に大きく貢献すること;を明らかにする.
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-10-15

3次元形状モデリングにおける立体集合演算の並列処理方式

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